瞳孔異常
- 概念 瞳孔が黄白色に輝いて見える状態をいう。
- 原因
- (((網膜芽細胞腫 )))
- 偽網膜芽細胞腫
- 先天性白内障
- (((未熟児網膜症 )))
- 網膜剥離
- ブドウ膜炎
- 検査所見 超音波検査、(((頭部CT撮影)))、眼底検査などが有効である。
アーガイル・ロバートソン瞳孔 (((Argyll Robertson pupil )))
- 概念 両側性反射性の虹彩括約筋の麻痺であり、対光反射は直接間接とも(((消失)))するが(((輻輳反射)))は正常で輻輳によりすみやかに(((縮瞳)))する。 視蓋前域から Edinger-Westphal核間の障害であり、中枢性神経梅毒に特徴的だが、脱髄疾患や松果体腫瘍でも見られる。
- 病態生理 対光反射は視神経からの求心性信号が視蓋前野とEdinger-Westphal核を経由して動眼神経に伝えられる反射であるが、 一方で輻輳反射は Edinger-Westphal核からすぐに大脳皮質に入力される。 このため視蓋前野から Edinger-Westphal核間の障害では対光反射は障害されるが輻輳反射は正常となる。
- 原因
- 中枢性神経梅毒,脊髄癆
- 脱髄疾患
- 松果体部腫瘍
- 糖尿病
- 症状 対光反射は直接間接とも消失し、(((瞳孔不同)))を呈するが、輻輳反射は正常で輻輳によりすみやかに縮瞳する。
ホルネル症候群 Horner syndrome
- 概念 C8からT2までの交感神経系の障害によって起こる症候群であり、患側の(((眼瞼下垂)))・(((縮瞳)))・(((眼球陥入)))を三徴候とする。
- 原因
- 中枢性 視床下部から胸髄の脊髄側角に至る1次ニューロンの障害である。
- Wallenberg症候群 延髄網様体には交感神経遠心路が走行しており、瞳孔散大筋は交感神経線維によって支配されるためである。
- 脊髄空洞症
- 末梢性 脊髄から交感神経幹にいたる2次ニューロンの障害か、もしくは交感神経幹から効果器にいたる3次ニューロンの障 害をいう。
- 2次ニューロン障害,節前線維障害
- 肺尖部の肺癌,Pancoast腫瘍
- 腕神経叢節前損傷,引き抜き損傷
- 開胸術による損傷
- 星状神経節ブロック
- 3次ニューロン障害,節後線維障害
- 症状 瞳孔散大筋は交感神経に支配されているために病変と同側に以下の症状を呈する。
- 縮瞳
- 眼裂狭小 患側のミュラー筋(交感神経支配)の麻痺に起因する眼瞼下垂であり、動眼神経麻痺によるものほど強くない。
- 眼球陥入
- 発汗低下 anhidrosis 中枢性では全身の発汗が低下するが、末梢性では顔面・頸部・腕の発汗のみが低下する。
- 鼻閉
- 検査所見
- 点眼試験 コカインやチラミンを点眼し、瞳孔の散大や眼瞼下垂の改善を見ることで、障害部位の推定が可能である。
- 概念 上眼瞼の挙上不全をいう。
- 原因
- 先天性 生まれながらに眼瞼挙筋の発育が不良なもので、家族発生が見られる。治療は挙筋短縮術を行なう。
- 後天性
- 神経性 動眼神経麻痺の部分症状として生じる。
- (((ホルネル症候群))) Horner syndrome
- (((多発性硬化症 )))
- 糖尿病性神経症
- 筋性
- 外傷性
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